日本では子供の親権争いにおいて母親が有利と言われていて、約80%の割合で母親が子供の親権者となっています。それは、離婚に至る前のこれまでの生活で母親の方が多くの時間を子供と一緒に過ごしており、母親が親権者となった方が、離婚による子供の生活の変化や精神的負担を小さくできるという状況の家庭がほとんどだからです。
しかし逆に言えば、20%は父親が親権を得ているのです。
親権を決める際に裁判所が最も重要視するのは「子供が健康的で幸せに暮らせる環境はどちらか?」という点。単に母親だから親権を取れるというわけではありません。母親より父親に親権をもたせた方が子供の幸せのためになると判断されれば、父親が親権を獲得することができます。
親権を父親が勝ち取るためには?
親権を父親が勝ち取る、母親が勝ち取るなど親権を巡って、弁護士を立てて争うことが多いですが一番大切なのは「子供の幸せ」です。また、親権を決めるときの裁判所の評価基準は「子供の幸せ」が重要視されています。裁判所は難しい用語で「子の福祉」を重視すると言っていますが、要するに「子供の幸せ」の観点から親権を考えようとします。
つまり、どちらの親と生活する方が子供にとって幸せになりそうかというのが裁判所が親権者を父母の
どちらにするかの判断基準となります。裁判所と同じように、子供の幸せの観点を意識するようにしましょう。
その上で、父親として親権を勝ち取るためには、日常的に子供と一緒に過ごしている状況を残すことです。
例えば、
・子供との写真を取って残すこと
・保育園での送り迎えの実績を残す
証拠は残せなくても
・夜ご飯を食べさせる
・一緒にお風呂に入る、
・寝かしつけて一緒に寝る
など子供と共有する時間をたくさん持っているという既成事実をたくさん作っていること、作っていくことが大切です。相手の評価を下げるより,まずは自分が正当に評価されるようにすることが大事です。
どんな場合だったら良いのか?
子供の親権を得るためには、子供の養育に関わってきた実績が必要です。
「父親に養育実績がある」このことが非常に重要です。
養育の実績というと、仕事をして子供のためにお金を稼いでいるのだから問題ないだろうと思うかもしれません。子供の生活のためにお金を稼ぐことも大切な親の努めですが、ここで言う養育の実績とは、どれだけ子供に接してきたかということです。
この点が今の日本においてまだどうしてもほとんどの家庭で母親のほうが親権取得に有利になります。
例えば、母親が子供を置いて家を出て行き父親が一人で子育てをしていたとか、家にいてもご飯だけ作ってそれ以外は父親任せで過ごしていたなどです。また母親が休みの取りづらい仕事で忙しく、子供の世話や学校行事への参加も父親がしていたというような場合は、父親の方が有利になるでしょう。母親と父親の養育実績が同等のものである場合でも、他の判断条件と合わせて考慮し父親の方が親権者にふさわしいと判断される可能性もあります。
養育実績がある期間は長ければ長いほど良いとされていますが、目安として半年以上の養育実績があると裁判では判断材料として認められるようです。
実績がないのであればこれから作っていく、あるのであれば1つ1つ自分の普段やっていることを確認しながら自分の言葉で話せるようにまとめておく。そして、やっていること、やれることを増やしていくことが大切です。
まとめ
親権を父親が勝ち取るためには、子供の幸せは何か?を考えていく。
母親の非を探していくことよりも父親と生活するほうが子供に取ってメリットがあると説明出来る事実を揃えていくことが大切になります。経済的に不憫にはならないということよりも、一緒に過ごす時間を取れる、精神的に安定することを方が重要視されているので子供のために身の回りのことをどれだけできるかが大事になります。あとは、父親の主張を最大限に汲み取ってもらえる相性の良い弁護に依頼することで裁判所とのやりとりもスムーズに行えますので弁護士を探してみてください。